巡礼2日目(El Burgo Ranero→Mansilla de las Mulas:19.0km)
朝歩き出して街を出る前に家から身を乗り出してるおばさんに声をかけられる
何を言っているのか全く分からないので「分からない!本当に何を言っているか分からない!」と言っていると道を指差すのでそこを見ると手袋を落としていたみたい
とてもありがたいが、いろんな人に見られているんだなと少し思う
あたりには霧が立ち込めていて少し歩けばもう町が見えなくなってしまった
少しずつ日が登ってきてあたりが明るくなってくる
どこからかちゅんちゅんが出てきて空をとびはじめ、鳴き声が聞こえる
あたりは露で濡れている
日が地平線より上に出るときりはやがて薄くなっていって見晴らしが良くなる
道の先にはずっとつずく並木が見え所々に川沿いの並木と交差して行く
緩やかな登りと下りでどこまでも道が続いているように思える
匂いも湿っぽい感じから少し乾いた草の匂いに変わってきた
時々車が通るが無茶苦茶飛ばしていて中央線なんか無視してる
トラクターの運転手さんは優しくて声をかけてくれる
時々車の人もクラクションを鳴らして挨拶してくれる
前日の朝から何も食べておらずかなりお腹が空いた
行きの飛行機でもらったキットカットの存在を思い出しポケットから発掘!椅子に腰掛けて食べる
体にしみる
ずっとぼーっと歩いて行く
隣町まで17kmなかなか長い
鉄道の線路を超え歩いていると後ろから自転車の巡礼者に声をかけられる!
初めて「ブエンカミーノ!」と声を交わす
韓国の人に思われたのか「アニョハセヨ」と挨拶され困惑してしまう
慌てて日本から来たことを伝え少し会話する
この人はここからさらに25kmくらい先のレオンまで行くとのこと
自転車だと1日に約50kmを超えるペースで移動するらしい
気付けばスーッと丘を登り見えなくなってしまった
丘を超えるとエルブルゴラネーロの町が見え、遠くには今日の目的地マンシラデラムスの町も見える
丘を下って行くと町に着く
スーパーやバーが何件かあるみたい
やっと何か食べられる!と思って足取りが軽くなる
ここで初めてスペイン猫さんに出会う
色々なカフェがあるが全部しまっている、うーーーんどうしたものか
とりあえずアルベルゲでスタンプを貰い、オスピタレロにスーパーがあるか聞いてみる
すると「道を左に行って右前の方にまっすぐ言ったところの左側にあって、扉はしまってるけれど外のブザーをブーーーってやれば開けてくれるよ」と言ってるみたい
とりあえず言われたとおりに行ってみて探してみるがが、全然見つからない
あきらめて街の中心の広場で少し休憩をしているとおじいさんが声をかけてきてくれた
相変わらずスペイン語が分からないので「分からない!本当に何を言っているか分からない!」と日本語で言っていると、一瞬「fight」と聞こえたような気がしてさらにガッツポーズみたいなのをしている
お!このおじさん頑張れって励ましてくれているんだ!とひらめく
さらに良く話を聞いていると「次の町まであと5kmだから」と言ってる気がする!
ガイドブック曰くあと7kmだがそんなことは気にしない!
ありがとう!と言って握手をして別れる
また人と会話をしたことで少しばかり元気が湧いてきて意気揚々とこの町をあとにする
少し歩くとかなり先の道の真ん中に大きな動物が立っている…
今までに見たことがない大きさの動物で狼か?ここで襲われて死んでしまうのか?と思って立ち止まっていると藪の中から人が出てきた
飼われている動物だということが分かり安心して進んでいくとその飼い主のおじさんがしゃべりかけてくれた
おじさん曰く「遠くで君が立ち止まったのを見て犬が怖がらせたと思って慌てて道に出ていったんだよ」と本当にびっくりするぐらい大きな犬だった
「この巡礼は色々な人とのコミュニケーションも楽しみの一つで、今は時期外れで人が少なくて残念だけれど良いものになるといいね」などと言ってくれる
英語でしゃべりかけてくれたのでまた人と意思疎通ができて元気が湧いてきた!
次の街まであと少し、気力を振り絞って歩く