スペインを歩く

サンティアゴ巡礼のスペインを歩く3週間の旅行記

巡礼1日目(Sahagun→El Burgo Ranero:18.9km)

サアグンの観光案内所でクレデンシャルを買い最初のスタンプを押してもらい「ブエン・カミーノ」の声をかけてもらうといよいよ巡礼が始まった喜びが湧いて来る

これから約2週間毎日歩いているだけの生活なんて普段じゃ考えられない

日本にいる人からすれば、あいつまだ歩いてるのかよなんて思うだろうなと思いつつ足取り軽く歩き出す

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街を少し歩くと土のブロックでできた教会がありコウノトリの巣がある

土が多く使われた建物は比較的雨の少ないこの地方の建物の特徴のようでこの後5日ほどに渡ってみることになる

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そのあとは町の広場で服や果物、野菜を売ってる市場をやっているが歩きだしが遅いので少しでも早く今日の目的地に着きたいため足早に後にする

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町の外れの川にかかる石橋を渡りサアグンの町を出て並木道をまっすぐ歩き始める

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歩き始めて程なくして羊の大群とすれ違う

羊さんが圧倒的多数なのでヒトは道を外れ羊さんが通り過ぎるのをただ眺めている

羊はそこらへんに生えている草を食べながら群れから遅れると走って群に追いついて行く

そして羊の大群が通り過ぎたあとはうんちパラダイス

どこまでもどこまでもうんち臭が続く

どんなに遠くまで牧草を食べに行っていたんだろうか

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巡礼路を歩いていて初めて声をかけてくれた人たち荷物はないから巡礼者ではないだろうけれど隣町までジョギング?ずいぶん遠いのに、よく分からない

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分岐点の掲示板騙し合い、親切心で書き足す人いろんなコメントがあって何が本当で何が嘘か分からない

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振り返れば遠くにサアグンの町、見渡す限りの大麦畑、今まで見たことのない風景の中日本から遠く離れた国でずっとのびる道を一人で進んで行くワクワク感

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道端のベンチに座って休憩しているとトラクターのおじさんが声をかけてくれた

「ブエン・カミーノ!」

荷物は重いし、足は重いけれど、声をかけてくれるだけで頑張って歩こうという気になれる

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しばらく歩いていて次の村の2kmくらい前で鉄道の高架下を抜けると高架、看板、道の全ての矢印に反対方向が書かれていて大きく何かの文字に!で書いてある

嘘とか間違ってるとか書いてあると推測

道を間違えたのかな?と少し思うも、こんな一本道どんなところで間違えるのか?想像もできないしそんな訳がないので無視してまっすぐ進んで行く

しかし進んでも進んでも今まで頻繁に書かれていた黄色矢印がどこにも見えず段々と心配が増して行く

あと700mも行けば次の街に着くのに、あの街はもしかしたら違う街なのかもしれない…本当に目指している町は線路の向こうに隠れているのかもしれないと不安になりやっぱり戻ろう!と決意し元の高架下まで戻り黄色矢印を確認するもどこにも脇道はなく、やっぱり正しい道だったよう

そういえばと思いグーグルマップで確認すればさっきの道はちゃんと目的の町に続いていたことが判明

黄色矢印を恨む気持ちもあるが矢印を信じた自分も悪い

これからは矢印を信用しつつ疑問を感じたらマップを確認するなどをしようと強く思った

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ついに隣町までたどり着く

 

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スタンプを貰いたいが町で空いてそうなお店が見つからない

唯一空いているバルに入ろうと思うが前では若者がたむろっている

とりあえず店に入ってみるが店の中はゴミが散乱していてビンが割れていて匂いもなかなか

スタンプはあるかと聞くがよく分からないが追い返される

諦めて他を当たることにする

しかしこの町人が住んでいる気配がない

家の窓はレンガで塞がれ崩れ落ちているところも多い

とびらの隙間を見れば中は壁だけで中は空っぽ

2、3分歩けば町の終わりに来てしまった

スタンプがもらいたいのでなんとかやっているお店がないか探すために町をうろつくが唯一アルベルゲの扉が開いている

中に入って色々声を出してみる「オラ!」、「アイ ウン セジョ?」、「こんにちは!」、「すみませんが!」、「Excuse me?」などなど

テレビの音はするのに一向に人が出て来る気配がない

諦めて次の町に向かうことにする

 

次の町に向かう途中の道

脇に植えられた木がどこまでも道がつずいていることを教えてくれる

長くて長い、先は見えない

青い空の下スペインという日本から遠くの町を歩くのは楽しいが終わりが見えないと苦しい

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何も考えず歩けば隣の町に着いた

今夜はここで泊まる予定

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公営のアルベルゲを訪れるが扉は閉まっていて中も暗い

入り口には何やら読めない言語で張り紙があり、グーグル先生に翻訳してもらうとopenとのこと

 

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扉を開けて中に入るとても綺麗で暖炉もある

先に入っている人はいないらしく自分一人だけのよう

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宿泊者の台帳に名前などを書いているとおばさんが入って来たのでオスピタレロかと聞くとそうだという

台帳で書き方の分からないことがあったので聞いてみると全く英語が通じない

本当に全く通じない…

ジェスチャーで何をしたらいいのか察して行動する

この日は何も食べていなかったので何か食べたいし明日の朝、昼ご飯も用意しておきたいので雑貨店はあるのかを聞くすると何やら良くない表情をする

しつこく聞くとアルベルゲの外に出て、指さしながら向こうにレストランが、向こうにスーパーはあるけれども全部しまっているという感じで言っている感じがした

一日中かと聞くとそのようである

何も食べるものを持っていなくてお腹が空いたと伝えると、残念だけれど…という風

荷物を背負って長い距離を歩いたのに何も食べられないし、次の町まで17kmで少なくとも明日のお昼まで何も食べられない

まさに絶望。

少しすると、ドイツから来たおじさんが入ってくる

少し喋ってみたが、疲労と時差でとても眠いのに加え、起きていると空腹を感じるので17時頃ではあるが寝ることにする

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その後スペインの人も入ってきて泊まっていたらしいが寝ていたので分からない

寝ている最中のかすかな記憶だとドイツ人とスペインの人がかなり盛大にスペイン語で楽しそうに話していたように聞こえた

この道を歩く人は色々な言語が喋れるものなんだろうか